二十一世紀に入り、世界は急速に変化しています。世界各国には根強い対立と不安、政治の混迷がまだ多く存在しています。一方で先進諸国はIT化と経済のグローバル化で生活スピードが増し、人々は、急激な社会変革の中にいます。
このような慌しい時代に流されるように、日本人のアイデンティティも不確かなものとなり、”心豊かで平穏な暮らし“には程遠い、余裕のない暮らしぶりも増えました。私たちは考えます。
二百六十年以上の長期平和を実現した徳川時代とは、いったいどんな時代だったのでしょう?
徳川家康が江戸に幕府を開いた一六〇三年から第十五代将軍・慶喜が大政奉還するまでの江戸時代約二百六十年は、幕藩体制の社会であり、その間、徳川将軍家は全国の諸大名の頂点に位置しました。徳川氏のうち、徳川将軍家に次ぐ地位として確立された「御三家」は、将軍家を補佐するとともに、現代に通じる伝統、文化を築きあげました。「尾張徳川家」(始祖‥徳川義直、徳川家康の九男)、「紀伊徳川家」(始祖‥徳川頼宣、徳川家康の十男)、「水戸徳川家」(始祖‥徳川頼房、徳川家康の十一男)は各家のつながりも重視しました。
武家の棟梁として、幕府の権威、威厳を保ち、同時に日本の美学を支えた全徳川家。江戸時代に確立された日本の美学、文化、日本人のアイデンティティをもう一度考えてみる機会があってもよいのではないか?
この「大徳川展」は、いままで徳川家一門にそれぞれ所蔵され、また公開されてきた貴重な品々を、全徳川というスケールで一堂に集め、現代の人々に見ていただく機会となります。
徳川家の天下統一から説き起こし、太平の世の中で育まれ開花した絢爛たる文化や芸術を、ご堪能していただけるものと思います。
それが「大徳川展」なのです。
重要文化財 安土桃山時代 十六世紀 徳川家康が大黒天の武装する姿を夢に見て、奈良の具足師岩井に命じ作らしめ着用した甲冑で、関ヶ原・大阪の役に勝利した吉祥の鎧として尊ばれた。家綱以後の将軍はこれを模して召料とし、具足祝いに床飾りするのを例とした。 |
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重要文化財 安土桃山時代~江戸時代 十六~十七世紀 裾の方を浅葱色の山形に染め分け、忍ぶ草・なでしこ・紫陽花・雪持笹などを墨描きで表している。その上部には、全体に大きく檜の若木を生やし。幹と葉を浅葱と萌黄の絞り染めとし。さらに墨描きで細やかな表現を加えてある。徳川家康より水戸徳川家初代頼房への御譲品。 |
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江戸時代 十七世紀 「黄門さま」として有名な、徳川光圀の所用と伝えられる印籠。表裏に水戸徳川家の表紋である三つ葉葵紋を大きく金蒔絵で表している。儀式等で使われている表道具で大名道具を象徴する一品である。 |
宣旨〔徳川家康征夷大将軍補任〕 |
白綸子地雲立涌菊折枝模様打掛 |
源氏物語絵巻 東屋一 |
「大徳川展」 |
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二〇〇七年十月十日(水)~十二月二日(日) | |
東京国立博物館、財団法人徳川記念財団、財団法人徳川黎明会、財団法人水府明徳会、 テレビ朝日、朝日新聞社、博報堂DYメディアパートナーズ |
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午前九時三〇分~午後五時 金曜日は午後八時まで開館。入館は閉館の三〇分まで | |
毎週月曜日 | |
「大徳川展」主賓事務局 〇三 ‐ 三五八七 ‐ 八〇七〇 | |
http://www.daitokugawa.com/ | |
※中学生以下無料。 ※団体は20名以上。 ※障害者とその介護者1名は無料。入館の際に、障害者手帳などをご提示ください。 ※前売券は、JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ、電子チケットぴあ、ローソンチケット、 CNプレイガイド、イープラス、JTB各支店にて六月一日(金)より販売いたします。 |
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JR上野駅公園口、または鶯谷駅下車 徒歩10分 東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分 京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分 [地図を開く] |