本展では、古代、ルネサンス、そしてバロック初めに至るまでの、ヴィーナスを主題とする諸作品を展示します。ヴィーナスの神話が、いかに古代の芸術家の霊感を刺激したのか、そして古代文化が再生したルネサンスにおいて、どのようにヴィーナスの図像が復活、発展したのかを、約70点の絵画、彫刻、工芸品等によって辿ります。特に今回は、フィレンツェ美術館特別監督局の全面的な協力により、ヴェネツィア派を代表する画家ティツィアーノの名品《ウルビーノのヴィーナス》をウフィツィ美術館よりお借りすることが可能となりました。フィレンツェ以外からも、イタリア各地からヴィーナスを表わした選りすぐりの作品が貸し出される予定です。
愛と美の女神であるヴィーナスは、もとは古代の女神でした。多くの神話において主要な登場人物であった彼女は、神話の一場面として他の神々と共に表わされることもあれば、単独で表わされることもありました。そして彼女の傍らには、しばしばその息子キューピッドも登場します。 彼女はルネサンスの時期にほかの神々とともに美術のモティーフとして復活します。古典文学の復興と相まって、彼女は多くの美術作品に登場するようになりました。フィレンツェでは哲学的な議論を背景として、ヴィーナスは慎み深く表現されましたが、ヴェネツィアでは官能的なヴィーナスの表現が発達します。その代表が《ウルビーノのヴィーナス》です。本展では、ティツィアーノ、ブロンズィーノ、ポントルモらによる、ヴィーナスのさまざまな現れようをご鑑賞ください。 |
ロレンツォ・ディ・クレーディ<ヴィーナス> ウフィツィ美術館 Photo:Antonio Quattrone |
アレッサンドロ・アッローリ<ヴィーナスとキューピッド> ウフィツィ美術館Photo:Antonio Quattrone |
《パリスの審判》の画家<パリスの審判> バルジェッロ美術館 Photo:Antonio Quattrone |
|
「ヴィーナスとウルカヌス」が描かれた皿 バルジェッロ美術館 Photo:Antonio Quattrone |
ウルビーノのヴィーナス 古代からルネサンス、美の女神の系譜 | |
2008年3月4日(火)~5月18日(日) 休館日:月曜日(ただし4月28日、5月5日は開館、5月7日(水)は休館) |
|
午前9時30分~午後5時30分(毎週金曜日は午後8時まで開館) ※入館は閉館の30分前まで |
|
月曜休館 (ただし、4月28日、5月5日は開館、5月7日[水]は休 館) |
|
国立西洋美術館、フィレンツェ美術館特別監督局、読売新聞社 | |
※ 本展の観覧権で常設展も観覧できます。 |
|
ハローダイヤル 03-5777-8600 | |
http://www.venus2008.jp/index.html |