狩野派の嫡流にして幼くして天賦の才を発揮した狩野永徳。圧倒的な力動感の大画様式は天下人たちを魅了し、彼らの城館は金碧の永徳作品で埋め尽くされた。 一方の長谷川等伯は能登から単身京に上り、狩野派全盛の時代の中、苦労の末ようやく栄誉を手にする。「雪舟五代」を名乗る水墨画は、日本の風土になじむ豊かな情感を獲得している。秀吉の治世のもと繁栄を謳歌する花洛には、桃山画壇の光と影が交錯していた。 |
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写生画風によって18世紀の京洛に新しい風を呼び起こした円山応挙。穏和で浪漫主義的なリアリズムは一世を風靡し、江戸時代の絵画史を塗り替える。応挙に師事しながらも、表現主義的でマニエリスティックな作品を手がけ、破門説まで伝えられる長沢芦雪。人の意表をついた斬新な構図は、奇想に溢れ機知に富む。 不肖の弟子か?出藍の誉れか?強く反発し、ときに惹かれ合うふたつの個性。百花繚乱の京都画壇に至高の師弟対決が繰り広げられる。 |
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京都の町人の子として生まれ、中国明清時代の絵画を慕った池大雅は、文人画という新しい絵画の在り方を実践した。明るくおおらかな画風を形成、一世を風靡する。 大阪の郊外に農民の子として生まれた与謝蕪村は、江戸に出て俳人として成長したが、中国最新の絵画傾向にも惹かれ、詩情溢れる画風で個性を発揮する。 両者は「日本文人画の祖」として後世の画家たちに大きな影響を与えた。 |
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書画、陶芸、漆芸など諸芸術に通じた万能のアートディレクター光悦の作品には、含蓄に富んだ人間性が投影されている。一方長次郎は、日本におけるデザイナーの始源ともいうべき千利休の指導のもとで作陶、楽焼の祖となった。無作為に作為した侘び茶の美意識を、茶陶のなかに完璧に表現。茶の湯が大成をみた安土桃山時代に現れた巨匠光悦と名匠長次郎により、新たな工芸史の可能性が示された。 | |
対決-巨匠たちの日本美術 展覧会概要 | |||||||||||||||||
会 期 | 2008年7月8日(火)~8月17日(日) | ||||||||||||||||
開館時間 | 午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで) ※金曜日は午後8時まで、土曜・日曜・祝日は午後6時まで開館 |
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休館日 | 月曜日 ※7月21日(月・祝)は開館、翌22日(火)休館。8月11日(月)は開館 | ||||||||||||||||
会 場 | 東京国立博物館 平成館 (〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9) |
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観 覧 料 |
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主 催 | 東京国立博物館、國華社、朝日新聞社 | ||||||||||||||||
後 援 | 文化庁 | ||||||||||||||||
特別協賛 | DIAMアセットマネジメント | ||||||||||||||||
協 賛 | 三井物産、大日本印刷 | ||||||||||||||||
お問い合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 |