日本はかつて「黄金の国ジパング」と呼ばれ、現在でも世界有数の金の産出国であり、身近なところでも金が取れることは意外に知られていません。
金の性質や産地、歴史、利用など多方面にわたる展示を行い、日本が世界に誇れる金資料を紹介します。また、日本とコロンビアの外交関係樹立100周年を記念して、エル・ドラード伝説で有名なコロンビアの至宝も約220点紹介します。
※夏休みの小中学生に体験型展示として120キログラムと60キログラムの大型金塊を触れるほか、砂金堀体験、金泥書の実演などを予定しています。
かつて東大寺大仏の表面は金でした。大仏殿には1万両の金が使われました。12世紀に奥州に花開いた黄金文化の象徴、中尊寺金色堂、室町時代の金閣寺、織田信長の築いた安土城など黄金の建築を映像で紹介すると同時に、国宝、重文を含む文化財を通して、日本は「黄金の国ジパング」と呼ばれるほど実際に黄金の文化が花開いていたことを紹介します。
豪華な装飾を施した金銅製の副葬品で知られる藤ノ木古墳。金銅とは、銅製に鍍金を施したもの。銅が錆びた状態で出土したが、当時は黄金に輝いていた。展示品は錆びをとった状態のもの。杏葉は馬具の一部で、中央に一対の鳳凰を配するなど豪華な装飾が施されている。 |
法隆寺伝来の金銅仏。黄金の輝きを現在に残す。銅製に鍍金されている。貴重な金を表面に施して永遠の輝きを持たせている。 |
大航海時代に西洋諸国を熱狂させた”エル・ドラード”伝説は有名です。世界の西の果て、新大陸にあったといわれる黄金の国”エル・ドラード”は、はたして幻、ただの伝説だったのでしょうか?
いまのコロンビアには古代より世界でも類のない黄金文化が栄えていました。古来この地では、黄金はあらゆる生命と力の象徴であり、人々は永遠なるものへの願いをこめて、装飾品や副葬品など、優美で精巧な黄金芸術品を生み出していました。
黄金の人々 エル・ドラードはスペイン語で”黄金の人”を表すことば。全身に金粉をまとった人の祭祀があったことからきている。伝説のもととなった黄金の人を中心に、黄金の人が身に着けたとされる装飾品や、人をかたちどった装飾品、ユニークで表情豊かな人型の作品を紹介。 |
神話の動物 展覧会に登場するさまざまな動物形の作品からは、当時の人々がどのようにジャングルの中の生き物たちを捉えていたかがうかがえる。このスカートをはいたような愛嬌あるペンダントはフクロウをかたどったものであろう。 |
日本には北海道から九州まで多くの金山があり、各地で金を産出してきました。現在でも日本各地の河川で砂金を採ることができます。現在、唯一金を採掘しているのは鹿児島県の菱刈金山です。これまでの産出量は160トンを超え、有名な佐渡金山を抜いて日本一の金山となりました。鉱石に含む金の割合は世界でもトップクラスです。
日本でも最も美しいといわれる自然金。秘蔵品を公開。 |
ジュエリーや豪華ドレス、工芸品、パソコンや携帯電話などの工業製品、歯科など金は現代もさまざまなものに使われています。
本展では、桂由美さんデザインの黄金のウエディングドレスと打掛のほか、人間国宝の鹿島一谷(彫金)、奥山峰石(鍛金)、江里佐代子(錐金)、吉田美統(九谷焼釉裏金彩)各氏の作品、この他各種ジュエリーや金を使った赤色の七宝や江戸切り子、金沢金箔の製作過程、日本が優勝した第1回ワールド・ベースボール・クラシックの金メダルなども紹介します。
純金の経糸を手織りで丹念に織り上げた佐賀錦織りの打掛。純金に彫刻を施したような黄金の輝きを表現しました。 |
純金箔を手織りで丹念に織り上げた佐賀錦25mを使用。さらにドレスとベールに金のレースを貼り、刺繍しました。従来の佐賀錦に比べ、太い箔を使用しているため、彫刻のような重量感があります。 |
金 GOLD 黄金の国ジパングとエル・ドラード展 | |
開催期間 | 2008年7月12日(土)~9月21日(日) ※休館日は7月14日(月)、9月1日(月)、9月8日(月) |
開催場所 | 国立科学博物館 |
開館時間 | 午前9時 ~午後5時 金曜日は午後8時まで 8月9日(土)~17日(日):午後6時まで【15日(金)は午後8時まで】 入館は各閉館時間の30分前まで |
入館料 | 一般・大学生=1,400円(1,200円)、高校生=600円(500円)、 中学生以下無料 ※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金 ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料 ※未就学児は無料 |
主 催 | 国立科学博物館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション |
後 援 | 文部科学省、外務省、コロンビア大使館 |
特別協賛 | DOWAホールディングス |
協 賛 | あいおい損保保険、日本写真印刷 |
協 力 | 松下電器産業、弥永北海道博物館、ユミカツラインターナショナル |
お問い合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 |