今回の展示では、挫折と成功を繰り返す野口の波乱の生涯、病原菌へのあくなき挑戦、そして努力の末に得た研究成果を彼を支えた多くの人々との交流をまじえて今日的な視点から紹介します。
この展示より初出展の貴重な資料等もあり、科学者野口の人間的魅力とその業績の真価に触れてみてください。
野口英世は、江戸幕府から明治新政府に替わった変革の時代に生まれました。雪国の貧しい農家に生まれた野口は、持前のがんばりと時代の波を乗り越えるエネルギーを蓄え、たくましく成長していきました。
野口が1歳半のとき、家の囲炉裏に落ちて左手に大やけどをしました。家族は手が不自由となり農業ができなくなった野口にとって学問を身につけることだけが人生を支えることになると考えました。
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医師の国家試験受験のため上京した野口は慣れない都会での生活に苦労しながらも、20歳のとき医師試験に一回で合格しました。医師となった野口は、高山歯科医学院、順天堂医院に勤務しましたが、細菌学を志して伝染病研究所に入りました。世界に出て研究をしたいとの夢を持っていた野口は名前を「清作」から「英世」と改め、目標に向かって努力する日々が続きました。
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野口はその生涯にわたって多くの研究成果を挙げましたが、その研究姿勢は「徹底した実証主義」と「危険をおそれないフィールド主義」に支えられています。研究室で新しい実験方法を考え出したり、地道な実験を注意深く繰り返すとともに一方では病気が蔓延している現地に自ら赴き、原因究明のため全力を注ぎました。
野口は、克明な観察を繰り返し、また病原菌の培養のために培地組成の工夫、培養法の改良などを根気よく積み重ね、目標に達するまで実験を続けました。実験結果を丁寧に整理し次々に論文にまとめて専門誌に発表し、多くの研究者からの評価を得ることにも力を入れました。
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野口自作の毒蛇の標本 |
野口英世記念医学賞 |
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野口が使用したカメラ付顕微鏡 |
野口の功績におくられたメダル他 |
Dr.NOGUCHI 世界を勇気づけた科学者・野口英世展 | |
開催期間 | 2008年5月20日(火)~7月21日(月) ※休館日は毎週月曜日及び7月1日(火)、7月2日(水) |
開催場所 | 国立科学博物館 |
開館時間 | 午前9時 ~午後5時 金曜日は午後8時まで】 入館は各閉館時間の30分前まで |
入館料 | 一般・大学生=600円(団体300円)、高校生以下無料 ※団体は20名以上 ※通常の入館料のみでご覧いただけます。 |
主 催 | 国立科学博物館/財団法人野口英世記念会 |
協 力 | 学校法人北里研究所/東京歯科大学/東京大学医科学研究所/内閣府 |
お問い合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 |