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東京国立博物館 7/14〜9/6
特別展 染付−藍が彩るアジアの器
展覧会の見どころ
染付(そめつけ)とは白磁の素地にコバルトを含んだ顔料で文様を描き、鮮やかな藍色に発色させる技法をいい、中国江西省の景徳鎮窯(けいとくちんよう)において元時代に完成されました。
この展観ではアジア各国で焼かれた染付を単に地域別に分類して展示するのではなく、製品の流通や技術・様式の交流も視野に入れたうえで東洋の染付の大きな流れを概観します。
さまざまな時代や地域の染付の優品が一堂に会することにより、素地の色や艶、コバルト顔料の発色の微妙な違いを明らかにし、染付の特性と多様性を浮き彫りにします。
内覧会の様子はコチラです
元の染付

染付は中国の景徳鎮窯(けいとくちんよう)で元時代の終わりごろに完成されます。生き生きとした動きをもった文様表現が特長です。

重要文化財 青花蓮池魚藻文壺(せいかれんちぎょそうもんつぼ)

中国・景徳鎮窯/元時代・14世紀/大阪市立東洋陶磁美術館蔵

水中を魚が泳ぐ情景は元時代の青花磁器に好んで取り上げられた題材の一つです。口縁に描かれた元時代独特の波濤文が、あたかも回り灯籠のように文様に動きをもたせる効果を生み出しています。

青花蓮池魚藻文壺
明の染付

明時代になると染付は宮中の御用品を焼く官窯でも採用されます。洗練を極めた格調高い様式が完成されます。

青花歳寒三友図皿(せいかさいかんさんゆうずさら)

中国・景徳鎮窯 「大明宣徳年製」銘/明時代・宣徳年間(1426〜35)/個人蔵

官窯の制度が整備された宣徳年間には気品のある美しい白磁が焼かれました。良質の輸入コバルト顔料で描かれた優美な文様は、素地の美しさを引き立てる働きをしています。

青花歳寒三友図皿
ベトナムの染付

ベトナムの染付は独特の温容な表情をそなえています。安南染付(あんなんそめつけ)の名で日本の茶人に愛されました。

青花鶴図大皿(せいかつるずおおざら)

ベトナム 16世紀/個人蔵

ベトナムでは中国に次いで早く染付の生産が始まり、東南アジアなどへ向けてさかんに輸出されました。外周の唐草文のゆらめくような表現はベトナム独特のものです。

青花鶴図大皿
朝鮮の染付

朝鮮では宮廷画家が筆をふるい、気品のある染付が焼かれました。やがて、「秋草手」とよばれる独特の作風を完成させます。

青花秋草文筆筒(せいかあきくさもんひっとう)

朝鮮時代・18世紀/東京国立博物館蔵 (小倉コレクション保存会寄贈)

余白を大きく残し、簡略な筆づかいで草花文がのびやかに描かれています。独特の静かな味わいをそなえた様式は、日本では「秋草手」の名で親しまれています。

青花秋草文筆筒
明末清初の民窯の染付

明末清初期の景徳鎮窯ではさまざまな輸出向けの染付が作られます。日本の茶人向けに好みの意匠の器を誂えることも行われました。

 
伊万里と鍋島の染付

日本では朝鮮半島から渡来した陶工によって技術が伝えられ、江戸時代初頭に九州有田で染付の生産が始まります。中国の技術や様式を貪欲に吸収する一方、独自の様式を完成させている点も見逃せません。鍋島藩が贈答用に焼いた鍋島焼は、技巧の粋といえるでしょう。

重要文化財 染付蓮鷺文三足皿(そめつけれんろもんさんそくさら)

鍋島/江戸時代・17〜18世紀/佐賀県立九州陶磁文化館蔵

鍋島藩が将軍家への献上品や大名への贈答品などを焼くために置いた藩窯の染付。コバルト顔料を薄くむらなく塗りつめる、高度の濃染め(だみぞめ)技法が駆使されています。

染付蓮鷺文三足皿
京焼と地方窯の染付

京都では、中国明時代の染付の様式に取材した文人趣味の染付が作られました。江戸時代後期に、染付の技術は瀬戸をはじめ日本各地に広がります。

重要文化財 染付龍濤文提重(そめつけりゅうとうもんさげじゅう)

青木木米作/江戸時代・19世紀/東京国立博物館蔵 (笠置 達氏寄贈)

青木木米(1767〜1833)は江戸時代後期に京都で活躍した文人陶工です。中国の磁器をよく研究し、中国趣味が横溢する独自の煎茶具などを作りました。

染付龍濤文提重
幕末の伊万里染付大皿

江戸時代末の文化・文政から天保期にかけて、大胆で奇抜な意匠の染付大皿が量産され、人々の生活を彩りました。網目文の皿には海の幸、羊歯文の皿には山の幸が盛られたのでしょう。

染付羊歯文皿(そめつけしだもんさら)

伊万里/江戸時代・18〜19世紀/東京国立博物館蔵 (平野耕輔氏寄贈)

シダとユキノシタの葉をあらわした大胆な意匠の大皿。  宴席でもひときわ目を引く存在だったでしょう。キノコのような山の幸が盛られたのではないでしょうか。

染付羊歯文皿
開催概要
名  称 特別展 染付−藍が彩るアジアの器
会  期 2009年7月14日(火)〜9月6日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 特別展示室第1・2室
〒110-8712 東京都台東区上野公園 13-9
開館時間 午前9時30分〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝日は18:00まで開館)
休 館 日 月曜日(ただし、7月20日、8月10日は開館、7月21日(火)は休館)
観 覧 料
   当 日  団 体  前 売 
一 般
大学生
高校生
1,000円
  800円
  600円
800円
600円
400円
700円
500円
300円
※中学生以下無料。 ※団体は20名以上。
※障害者とその介護者1名は無料。入館の際に、障害者手帳などをご提示ください。
*同時開催の特別展「伊勢神宮と神々の美術」とのセット券もあります。
お問合せ ハローダイヤル TEL:03-5777-8600
主  催 東京国立博物館
協  力 日油株式会社、産経新聞社
公式サイト 東京国立博物館
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応募期間2009年6月12日(金)〜2009年7月28日(火)
当選発表2009年7月30日(木)

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