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《 VOCA展について 》

1994年に始まったVOCA（ヴォーカ）展は今回で18回目を迎えます。VOCA展は全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、毎回、国内各地から未知の優れた才能を紹介してきました。

平面美術の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催している「VOCA（ヴォーカ）展−新しい平面の作家たち−」は今回で18回目を迎え、出品者はのべ617人を数えました。
過去には、福田美蘭（1994年VOCA賞）や、やなぎみわ（1999年VOCA賞）、蜷川実花（2006年大原美術館賞）らが受賞し、昨年は三宅砂織がVOCA賞、清川あさみが佳作賞を受賞するなど、平面作品をてがける若手作家の登竜門としてますます知名度を高めています。

今回の「VOCA展2011」では、全国各地から推薦された36人の作家が出品し、昨年12月に行なわれた選考会によって、［VOCA賞］中山玲佳、［VOCA奨励賞］後藤靖香、森千裕、［佳作賞］熊澤未来子、澤田明子、加えて［大原美術館賞］には館の選考を経て上田暁子が決定しました。（敬称略）
今回も全体の傾向として具象表現が優勢な印象をうけます。受賞作のなかにも見られるように日常と非日常、現実と夢や想像のあいだを行き来する要素が並び合わされて、読み解きを促すような謎めいた物語性を感じさせます。

VOCA賞
・中山玲佳　「 或る惑星 」（大阪府生まれ。大阪府枚方市在住）
VOCA奨励賞
・後藤靖香 「 あきらめて 」（広島県生まれ。広島県山県郡北広島町在住）
・森　千裕 「 Eternal Itching（SAYONARA）」（大阪府生まれ。東京都大田区在住）
佳作賞
・熊澤未来子 「 より未来へ 」（愛知県生まれ。東京都世田谷区在住）
・澤田明子 「 ヒア 」（東京都生まれ。神奈川県川崎市在住）
大原美術館賞
・上田暁子 「 あふれて入口、あふれて出口」「とある熱を通り抜ける」（京都府生まれ。長野県小諸市在住）